天使の運命

6.運命

サラと出会ってから3年がたった今でもレイチェルとサラは幸せでした。愛すること、愛されることがこんなに幸せなんだと実感した毎日を過ごしていました。
しかし、その幸せな生活に暗雲が立ち込めてきました。レイチェルに病魔が襲ってきたのです。
「先生・・私はあとどれくらい生きられるんですか?」
「このままの筋肉硬直が進んでいくと・・3ヶ月ほどで臓器も硬直してしまいます。」
医師はレイチェルの目をみながらそう言いました。
「わかりました・・」
「サラ、帰ろう・・」
するとサラは泣きながら、
「先生!なんとか・・治せないんですか?先生・・・」
「・・・・・」
「サラ・・家に帰ろう・・」
サラはレイチェルに抱きかかえられるように病院を後にしました。

浜辺にたたずむ二つの影・・レイチェルとサラでした。
「サラ・・私はサラに会えてよかった。3年とゆう時間が長いのか・・短いのかは、
関係なく、サラとの時間は充実していた。サラと出会う前の私は、毎日が静か過ぎ・・
まるで生物も風もない湖面のような生活でした。でもそこに一つの石が投げ入れられたのです・・それが・・サラ・・君です。サラへの思いが波紋のように私の心に広がったのです。」
サラは泣いてはいましたが・・しっかりした表情でレイチェルを見ていました。
「私もよ。レイチェル、あなたに会えてよかった。あなたがいなければ・・私は今いないわ・・」
「サラ・・私は・・あとどれくらい生きられるか分からないが、生きてる限り君を
愛するよ。」
サラは言いました。
「私だけじゃなくこの子も愛してね。」
そう言いながらお腹に手をあてました。
レイチェルは驚きました。
「え!?子供が・・?」
「ええ 神様が私たちに命をあたえてくれたのよ。」
サラはレイチェルの手をとりお腹にあてました。
「ありがとう・・サラ・・」
「今・・何ヶ月?」
「4ヶ月よ」
「そうか・・じゃー半年は生きないとな。」
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