天使の運命

5.出会い

少し小高い丘の上にそのアパートはありました。緑あふれる木々に囲まれた木造アパートです。
ロジャーはそのアパートに入って行き、レイチェルもそれにつづきました。
「ここがあなたの部屋です。」
そう言うとロジャーはドアを開けました。
レイチェルは少し途惑いながらも部屋に入りました。まず目に入ったのが大きな窓と
その奥に広がる風景、そこにはさっきの浜辺が一望できました。
「・・・・・・」
「ここしかなかったんですよ、あの浜辺が一望できる場所は。」
「夜まで休んでください。」
「どうして・・そこまで知ってる・・・」
振り返るとロジャーはいなくなっていました。
「・・・・・」
レイチェルは窓から見える風景に見とれていました。何時間も・・

日は沈み・・夜になりました。
まだレイチェルは景色を眺めていました。
そこに、ロジャーがやってきて、
「そろそろ彼女が現れます、浜辺に行きましょう。」
レイチェルは振り向き、聞いた。
「会って・・なんて話せば・・・?。」
ロジャーはきっぱりと言いました。
「あなたの思いをそのまま伝えればいいのです。」
「さあ、行きましょう。」

浜辺に下りました。
そこにはすでにサラは来ていました。しかし・・
「レイチェル・見えますか?悪魔が彼女の周りを飛んでいます。」
「悪魔?・・なぜ悪魔が!?」
レイチェルは目を凝らして見ました。
「あっ!」確かに悪魔がいました。
「彼女は自殺する気です、だから悪魔が魂を切り離しに来ています。」
「助けられるのは、レイチェル!あなただけです。」
レイチェルは走りました!一度も感じたことのない思いが爆発したかのように
走りました。そして海に近づこうとしているサラを後ろから抱きしめました。
「自殺なんてしちゃだめだ!。」
サラは驚いて・・「どうして自殺するって・・・。」
「見てたから・・ずっと・・月夜にくるあなたの事を・・」
「何日も見てました。そして・・好き・・になってました。」
レイチェルは・・泣いていました。天使のときにはこんな感情にはなったことがありませんでした。
サラも泣いていました。
時間が止まったかのように・・二人は月夜に照らされて綺麗でした。
< 5 / 8 >

この作品をシェア

pagetop