リフレイン

 兄弟でも心がえぐり取られたような感覚になる。恋人だと、どれほど苦しいのだろう。

 半年、その温もりを感じていなくとも、あの様子だと、簡単に忘れられなかったことだろう。


 それでも彼女は、ここで笑顔を見せた。


「……彼女、桜みたいな人だな」


『でしょ?』


 一生聞こえるはずのない声に、嬉しそうに返された気がした。



   ❀



 凍てつく寒さは和らぎ、すべての生命が生きやすい季節がやってきた。


 理桜はベッドから降りて、カーテンを開ける。窓の向こうには、美しい水色が広がっている。


 さらに窓を開けると、爽やかな空気が流れ込んでくる。

 深呼吸をしながら、身体を伸ばす。


 それから、お気に入りのものを置いたスペースの前に移動した。


「おはよう、秋希。今日はお花見日和だよ。どこの桜を見に行こうか」


 応える声はなくとも、理桜の笑顔は柔らかかった。



< 15 / 15 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

貴方ともう一度、恋の夢を

総文字数/14,291

ファンタジー22ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
生まれ変わっても、貴方と恋をすると決めていた ❀ あの素敵な人は、誰? ❀ 夢で出逢う貴方に強く惹かれるのに 貴方は私以外のひとを見ていた
月が、綺麗だったんだ

総文字数/4,548

恋愛(その他)7ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
心に刺さった棘は、簡単には抜けないんだよ ☽ 久しぶりに再会した依茉と琉唯 秋風が吹く夜道、二人は空を見上げる 「月が……綺麗、だな」
この恋は、終わらないと思ってた

総文字数/8,895

恋愛(純愛)13ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
記録を残すためのSNSだと、思ってた 元カレのことが忘れられない大学一年生 春瀬美音 × 少し強引な金髪先輩 真城千翔 ❀ 「どうして私に優しくしてくれるんですか?」 「春瀬の笑った顔が、可愛かったから?」

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop