一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
 彼からすればくだらない事も私は覚えている。今思えばそれだけ彼の事が好きだったからだろう。
 私は自宅に彼を招き入れる。

「おじゃまします」
「どうぞ」
「綺麗だね」
「そうかな?」
「うん、めっちゃ綺麗。俺の部屋片付いてないもん」

 そうは言ってはいるが、彼の部屋も多分綺麗だろう。

「じゃ、何頼む? こっちも何かクーポン無いかな……」
「ほい、クーポン」

 成哉がクーポン全てを机に置く。ぱっと見ピザ店のクーポンが一番多く、次点でファストフード店のクーポンが並ぶ。
 私もクーポン付きの広告を探した結果、ピザ店のクーポンが一番多かったので、ピザ店で何か頼む事になった。

「堀田何する?」
「うーーん……」

 私が今一番目に止まっているのは、フライドチキンにナゲットとポテトに小さなピザが付いたセットだ。チキンは照り焼きソースがかかっていて柔らかそうだし、ナゲットも美味しそうだ。ポテトは細長いタイプで、ピザはマルゲリータのピザだ。どれも美味しそうに見える。

「……これにする」
「俺も堀田と同じやつにする。それとサラダとピザ2枚つけようかな」
「そんなに食べるの?!」
「……うん。腹減ってるっていうか」

 彼は小学校時代も中学時代もそこまで大食いなタイプでは無かったはずだ。

「いつからそんなに食べるようになったの?」
「医者になってからだなあ。めっちゃお腹すくようになってさ」
「身体動かすから?」
「そうかも。あと頭もかな。だから手術終わった後はすごいお腹減る」
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