一夜を共にしたかつての片思い相手は、優秀外科医だった。〜憧れの君と私の夢〜
 成哉も日々目標である先輩方や父親のような医者になるべく努力を重ねている。外科手術が終わった後は相変わらず腹ペコ状態だが、そんな彼に美味しい料理を作って食べさせる事も私の中ではやりがいを感じていた。

「うん、美味しい!」

 彼が本当に心の底から美味しそうな笑顔を浮かべてご飯を食べるのが見ていてたまらないのだ。

(良い笑顔だ)

 また、喫茶店にはお手伝いさん内何人かもホール担当で手伝ってくれる事が決まった。

「私以前喫茶店で働いてたんです」
「レジ打ちも出来るわよ!」
「お皿洗いとかも任せて!」

 彼女達が加わる事になったのは、私にとっては非常に助かる。1人よりも断然心強いからだ。

「皆さんありがとうございます。助かります!」
「成哉さんも奥さまの夢を応援していますし、私達も何か手伝えたらって思っただけですよ」
「こういうのは、1人より何人かの方が良いですよ」
「そうですよ。成哉さんも手伝うって仰っていましたし」

 成哉も以前言っていたように、休日は出来る限りお店を手伝う事が決まったのだった。

(皆がいてくれるのは本当に助かる)

 お店の営業時間は月曜日から土曜日まで。日曜日は休日にあてた。本当は日曜日も営業したかったが、成哉からは休日を入れた方が良いという意見を受けたのだった。

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