─animaTane─ドレミ


始まりは何もなかった。


時間や空間なんてものはない。何色でもない無があり、そこはどこにも属さない完全な何もない何かだった。


私達が産まれる前は私達がいないのと同じように宇宙も形成されてない何一つエネルギーを持たない何か。


何も産むことの出来ない何かはプラスを産んだ。プラスはエネルギーになり、光を無に絶え間なく注いだ。やがてプラスが注いだ光は陰りを無に与え、それがマイナスとしてエネルギーへ変わり、プラスとマイナスの対を成す存在が産まれた。


それは奇跡としか言い様がなかった。なぜなら、何もない無からプラスとマイナスが産まれたのだから。


プラスとマイナスはエネルギーではあるものの、まるで意思を持つかのように反発した。


プラスは黄金色のあまねく光を放ち、マイナスはそれに陰りを与え、闇を作った。


決して結ばれることのない対極した性質は無の中で輪を形成し、ゆっくりと回転していた。


プラスとマイナスは不思議なことに色を持つ。

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