セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
――今日からは、違うわ。


 今日から入学する王明学園は、一流の物だけが用意されている、セレブのための学園。
 これからはもう、自分で掃除をしたり、自分で学食を運ぶ必要もない。


 しかも――。

 私は、机の前に貼ってある新聞に目をやった。


 昨年度のものだ。私と同級生の中等科生徒会役員らが活動する様子が、地域の新聞に掲載されていた。

 彼らは皆、目を疑うほどにカッコいい。まさに、私の探していた王子様だ。

 今日から、いよいよ、彼らと同級生になれる。数少ない高等科入学の枠、しかも特待生枠を勝ち取れたのは、私が彼らと出会う運命だからだと思う。


 これからが、私の本当の物語。
 彼らはきっと、私を好きになる。
 

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