セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ～能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない～

２歳 〜両親との距離を詰めよう〜

　２歳になった。
　このところ、春名さんや使用人の皆とは、だいぶん、話ができるようになってきたと思う。


　最近はよく外遊びをさせてもらえるようになったので、運動にも幅が出てきた。
　
　公園で知らない子をつかまえては、追いかけっこをして遊んでいる。いつも鬼役をさせられるし、逃げる子どもが泣いたりもするけれど。

　一人で家の廊下を往復するよりは、ずっと運動になっている。


　空気を読めない言動は、今のうちしか許されないだろうから。最近は、両親を見かける度に抱きつき、積極的に話しかけることにした。


「ママ、しゅきー。」

「パパ、しゅきー。」


　表情がないとはいっても、そこは我が子。幼い娘に好きと言われて、嫌な気のする大人はいないと思う。

　会うたびに好き好き言ってると、こんな両親でも、ときどき、笑顔を見せてくれるし。何だか本当に好きになってきたから、少し不思議だ。