セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
 とはいえ、今ひとつ、他人行儀な距離感が縮まらない。
 媚びるようにして好かれるだけでは、真に距離を縮めることにはならないと思う。普通の親子はどうやって距離を縮めるのだろうか。


――そうだ!


 私は思い出した。
 前世でお友達だった女の子。とっても優等生の良い子なのに、親はいたずらっ子の弟ばかりを可愛がると愚痴っていた。


『ダメな子ほど可愛い』


 この真理を、利用しない手はないだろう。
 私は、軽いイタズラを、実践してみることにした。


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