セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ～能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない～

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　ゲーム終了後は、杵築母を交えて、少しお茶を頂いた。


　杵築母は私には話しかけるのに、一生懸命話している愛花ちゃんに対しては、ちょっと素っ気ない。

　これじゃあ、愛花ちゃんには、私が悪役みたいに見えるかも。佐々木くんも、口下手のためか、うまく会話に参加できていない。


　仕方がないので、私はなるべく自然に、愛花ちゃんと佐々木くんに話を振り、杵築母との会話に参加させた。
　杵築が最終的に、二人のどちらを選ぶのかは知らないけれど、『私は邪魔してません』という、アピールだ。


　結果として、愛花ちゃんたちも、うまく場に馴染めたとは思うのだけど。

　杵築母は、最後に「百佳さんは、皆に自然な気配りができて、素敵ね」と呟いていたので。
　何か勘違いをされているようだ……。


　最後に、杵築母のリクエストにより、三杉のピアノ、羽村と私のヴァイオリンを合わせて、お開きとなった。

　楽しくなかったわけでは、ないけれど。
　休日なのに、どっと疲れた一日だった。