セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
 私は、軽くガウンを羽織って自宅の庭に出ると、冷たい空気を身体に感じながら、夜空を見上げた。


 今日は、空気がとても澄んでいて。オリオン座が、きれいに瞬いている。


――どうか、来年も再来年も。この家から、この空を見上げることが、できますように。


 私はどうやら、今の私を取り巻く環境の全てが、好きになってしまったみたいだから。

 どうにかして断罪ルートを回避したいと、改めて思った。
< 226 / 615 >

この作品をシェア

pagetop