セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
16歳 〜プレゼントをしよう〜
クリスマスを控えたある日。
知らない会社から我が家に、おもちゃのブロックが入った箱が大量に届いた。宛名には、私の名前が書かれている。
――なぜに、ブロック?
高校生が遊ぶようなものではないし、仮に遊ぶとしても1つで十分だ。
母は全く知らないと言う。
仕事から帰ってきた父も、ブロックの箱の山を見て驚いていた。普通の家だったら、ちょっと置き場に困るほどの量だもの。
けれど、結局、これは父のミスによるものだったと判明した。
「取引先との付き合いで、百佳にと思って、1セットだけ注文したんだよ。よく読んだら、1セットは10箱分と書いてあるな。
――まあ、高額なものでもないし、百佳が遊んだらいいだろう。」
……って、アホか!
私一人でこんな量、どうやって遊ぶんだ。部屋の中に城でも作れと?
というか、高校生女子がブロックで遊ぶと思うなんて、父の中の私はどんなイメージなんだ。