セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
《4、青石兄の場合》

 上記のエイプリルフールの失敗談を、青石兄にメールで話したところ、案の定、ボロクソに言われてしまった。

 それはそうと、ラインやってるなら、これからはラインでやり取りしようということになり。
 私は早速、教えられたIDを検索して、青石兄と『友達』になった。


私『黒瀬百佳です。登録お願いします。』

 のあとに。
 猫のスタンプをひとつ。


猫の顔『好き好き~(っ'-')╮=͟͟͞͞♡好き♡』

――おかしいな。すぐに既読になったのに、何の返事もない。
 もう1個スタンプをしてみよう。

 
猫の顔『好きすぎてどうしよう~( *¯ ³¯*)♡ㄘゅ』

――すぐに既読になったのに、やっぱり、返事がない。



私『……嘘ですよ? エイプリルフールの。』

青石兄『分かってるよ! ウザすぎて、ブロックしようか迷ってただけ。』
 

――ひどい。冗談なのに。


青石兄『にしても、こーゆースタンプ、ふだん誰に送ってるわけ?』

私『送ったことないです。彼氏ができたときのために、持ってるだけで。』

青石兄『彼氏いたことあるの?』

私『……。』

 
 また何かが減った気がする。
 エイプリルフールって、こういうものだっけ?
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