セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
17歳 〜弁解をしよう〜
――どうしてこうなった。
というか、どうして羽村に責められないといけない。お前は私の父親か!
って言いたいけど、言える雰囲気じゃないです。
「月乃さんの見間違いでは、ないのですね?」
「た、たぶん……。クロセ・インターナショナルホテルなら、その頃行きましたから。」
なーんだ、という風に空気が緩み、誰かが、息を吐いた。
「ああ、家の用事だったんですね。一緒にいたのはご親族ですか。」
「いえ、知り合いとカフェで待ち合わせていただけで。1階のカフェ、結構いいんですよ。」
「デートだったんだ、いいな〜。」
「「デート?」」
皆がこっちを見た。