セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ～能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない～

１７歳 〜リーガルマインドを学ぼう〜

　４月中旬。

　今日の総合学習の時間は、現職の弁護士が学校に来て、指導をしてくれるという『法教育』の授業だった。
　今後、私が冤罪をかけられたときのため、真剣に聞いておきたい授業だ。


「刑事事件における弁護士の仕事は、
　①この人は犯罪をしていません、と有罪性自体を争う『否認事件』
　②罪は認めている場合の『自白事件』
　の２つに、大きく分かれます。

　日本の司法では、一般的に、無罪なのに有罪と間違えられて逮捕されたり、起訴されるということは少ないです。
　そのため弁護士の仕事としては、②の自白事件の方が圧倒的に多いですね。

　今日は２人一組で、自白事件における弁護活動のロールプレイングをしてみましょう。」

　２人一組は、出席番号順だったので、私は杵築とペアになった。