セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 〜バックコーラスをしよう〜


 4月末。

 生徒会業務の引き継ぎが、完了した。

 これからも、生徒会の一員としての立場は残るものの、これまでのような第一線からは引いて、補佐業務に回ることになる。

 毎日生徒会室に行く必要はなくなるとはいえ、仕事があるときもあるので。連絡が取れないと不便だからと、愛花ちゃんがライングループを作ることを提案した。

 特に反対する理由もなく、すぐにライングループができた。むしろ、もっと早く作っておけば便利だったかもしれない。


 さて、ライングループが出来て以来、愛花ちゃんは、生徒会の仕事に関すること以外も、ちょこちょこグループラインで送ってくる。

 勉強の質問とか、テレビ番組のこととか。返信しやすい内容、興味をひく内容が、うっとおしくならない程度の、絶妙な頻度で送られてくる。

 たった数日で、これまでよりも、愛花ちゃんが身近になったように感じられるから不思議だ。
 愛花ちゃんは、改めて、理想のヒロインだなと思う。

 
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