セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
17歳 ~音楽祭の準備をしよう〜
ゴールデンウイーク明けの学校はダルい。
しかも、5月下旬の音楽祭に向けて、生徒会の仕事があるということで、私にまで仕事が振られてしまった。
せっかく、代替わりをして、仕事が減ると思っていたのに、面倒くさいことこの上ない。
私は、生徒会室の自席で、黙々と、3年生の保護者向けの分のパンフレットの製本を行っていた。
――早く帰りたいよ~。
それというのも、最近、私は、勉強の息抜きに見始めたアニメにハマっている。
今日放送されるところが山場のいいところなので、早く帰ってのんびりと見たいのだ。
それにもかかわらず、蓮くんが3年生の部屋の方に来てちょろちょろしているので、気が散ってしょうがない。