セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
第ニ章 初等科編

6歳 〜授業は真面目に受けよう〜


 6歳になり、初等科に入学した。

 王明学園の初等科は、1クラス30人の、4クラス制である。幼稚園からの持ち上がりは、約3分の1だ。
 見知った顔がチラホラあることに少し安堵したものの、瞳ちゃんとは離ればなれ。再びボッチ生活になってしまった。

 けれど今はさらに、辛いことがある。何が辛いって、――それはもう。


 暇すぎるのだ。


 幼稚園の頃は、体を動かしたり音楽、製作をすることが多く、自由遊びの時間もあった。

 これに対し、初等科一年生の授業は、一日のほとんどが国語又は算数である。それにほんの少し、生活科、体育、音楽が混ざる程度だ。

 いくらなんでも、一年生の国語と算数くらいは、スラスラ分かる。先生に睨まれたくないから、内職もできないし、眠気とも戦わないといけない。


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