セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 〜マンションを訪問しよう〜


 週末の土曜日。

 私は、羽村が買ったというマンションを訪れていた。

 完成済みのマンションではあるが、まだ未入居の新築物件で、高層階の窓からの景色は壮快だ。

 同じ高さに他の建物がないため、カーテンを開けていても人目が気になることもない。

 2LDKと聞いてはいたけれど、リビングは何部屋分もの広さだ。私の想像していた2LDKではなかった。


「いい景色ですね~。」

「気に入って頂けて、嬉しいです。」
 
 羽村はご機嫌だ。


「でも、せっかく綺麗に施工されているんですから。壁紙とかはこのままでも良いのでは?」

 壁紙やフローリング材・扉などは、既に標準のものが取り付けられているのだ。
 羽村ときたら、その壁紙から何から全てやり直すというので、もったいないこと、この上ない。
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