セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
 そのとき。

 バタバタと音をたて、先生がこちらに走ってきた。後ろには、杵築、羽村、佐々木くんの3人もいる。

 ああ、そういや担任に連絡入れといたんだった、と呟く三杉。言われてみれば、私も、生徒会のライングループに、中途半端なラインを送りっぱなしだ。


「黒瀬さん!」

「あ、どうも、お騒がせ致しまして……。」


「良かった、無事だったんですね。」
 担任はホッとしているようだ。

「何があったのか、きっちり説明してもらいましょうか。」
 担任を差し置き、率先して詰問してくる男1名。


 杵築や佐々木くんも険しい顔をしているけれど、三杉は「俺、先に部屋戻るわ」と、無情にも私を見捨てて行った。

 さすがに今回の件の、学校への報告はやむを得ないけれど。疲れているので、それ以上の尋問は、どうか短めにお願い致します……。
 
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