セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
――百佳ちゃん?
振り返った先にいたのは、弟の方の、青石さんだった。
「あれ。こんにちは。」
「こんにちは。百佳ちゃんも、オープンキャンパスに来てたんだ。」
「そうです。先日はありがとうございました。」
私はお礼を言う。
「居合道部の練習場所は、この体育館の地下なんだ。ちょっと見ていく?」
「いえ、今日はちょっと、まだ別に見るところがあるので……。」
「ふーん、そっかー。」
残念だなあと、穏やかに笑う青石さん。
――あ、そういえば……。
青石さんは、青石兄が大嫌いだって言っていたっけ。本気かどうかは分からないけれど、鉢合わせにならない方が良いのかも。
「それじゃあ、これで……。」
私は、そそくさとスマホを鞄に入れ、その場を立ち去ろうとした。
けれど、次の瞬間。青石さんは、私の手首を掴んで、壁の方に引き戻した。
振り返った先にいたのは、弟の方の、青石さんだった。
「あれ。こんにちは。」
「こんにちは。百佳ちゃんも、オープンキャンパスに来てたんだ。」
「そうです。先日はありがとうございました。」
私はお礼を言う。
「居合道部の練習場所は、この体育館の地下なんだ。ちょっと見ていく?」
「いえ、今日はちょっと、まだ別に見るところがあるので……。」
「ふーん、そっかー。」
残念だなあと、穏やかに笑う青石さん。
――あ、そういえば……。
青石さんは、青石兄が大嫌いだって言っていたっけ。本気かどうかは分からないけれど、鉢合わせにならない方が良いのかも。
「それじゃあ、これで……。」
私は、そそくさとスマホを鞄に入れ、その場を立ち去ろうとした。
けれど、次の瞬間。青石さんは、私の手首を掴んで、壁の方に引き戻した。