セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 〜神戸に行こう2〜


――えーと、つまり?

 よく分からないので、状況を整理することにした。


 まず、第一に。

 佐々木くんは、私が杵築を意識していると誤解している。

 いつも癒やし系の佐々木くんが、なぜか真顔だったから、もしかしたら怒っているのかもしれない。

『全力で応援するって言ったのに。
 俺の杵築くんに粉をかけるなんて、ひどいじゃないか。』

 たぶん、そういうことだろう。


 第二に。

 佐々木くんは、大逆転を狙っている。

 こんな俺でも、というネガティブな発言から推測するに、最近、杵築とうまくいっていないのかもしれない。

『泥棒猫の黒瀬を傷つければ、杵築くんの気持ちが、戻ってくるかも。俺の大逆転だ!』

 たぶん、そういうことだろう。


――がーん。 

 佐々木くんに、そこまで嫌われていたなんて、気付かなかった。むしろ仲の良い方だと思っていただけに、結構ショックだ……。

< 458 / 615 >

この作品をシェア

pagetop