セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「ふぅん……。どういうつもりでも良いけれど。今度の総領事のホームパーティー、あなたも呼ばれることになったって、知ってる?」
「――はい?」
「さっき、杵築くんに参加者について質問したときに、そんな感じのことを言ってたわ。一体、どうやって手を回したのかしら。」
「――はいぃ?」
ますます、意味が分からない。
「でもいいわ。――今の、最大の敵は、あの女。」
愛花ちゃんは、宙を睨んだ。あの女とは、紗和子さんのことだろうか。
お互い、頑張りましょうね、と言い残し。愛花ちゃんは、こちらを振り返ることもなく、帰って行った。
※※※※
その夜、杵築から、直ラインがきた。『お前も、来い』という短い文章とともに、例のホームパーティの参加者名簿が添付されている。
日本側参加者名簿の末尾には、たしかに、私の名前があった。他の人の名前は印字されているのに、私の名前だけ、欄外に手書きで小さく書かれている。
明らかに、さっき付け足したでしょう、という雰囲気だ。
――愛花ちゃんをフォローせよ、ということなのかな?
杵築の意図は、分からないけれど。参加の辞退は、難しいようです……。
「――はい?」
「さっき、杵築くんに参加者について質問したときに、そんな感じのことを言ってたわ。一体、どうやって手を回したのかしら。」
「――はいぃ?」
ますます、意味が分からない。
「でもいいわ。――今の、最大の敵は、あの女。」
愛花ちゃんは、宙を睨んだ。あの女とは、紗和子さんのことだろうか。
お互い、頑張りましょうね、と言い残し。愛花ちゃんは、こちらを振り返ることもなく、帰って行った。
※※※※
その夜、杵築から、直ラインがきた。『お前も、来い』という短い文章とともに、例のホームパーティの参加者名簿が添付されている。
日本側参加者名簿の末尾には、たしかに、私の名前があった。他の人の名前は印字されているのに、私の名前だけ、欄外に手書きで小さく書かれている。
明らかに、さっき付け足したでしょう、という雰囲気だ。
――愛花ちゃんをフォローせよ、ということなのかな?
杵築の意図は、分からないけれど。参加の辞退は、難しいようです……。