セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「や、ホントに悪い意味じゃないんです!」

 実際、未成年だというのに、『子ども』と言われて、そこまで怒るものなのか。


「皆さんがめっちゃモテるのは知っているので。残念な女の戯言として、広い気持ちで聞き流して下さい。」

 私はバッと荷物を取ると、「ではお先に~」とダッシュで教室を出た。
 逃げるが勝ちである。



 次の日、自動販売機の当たりが出て、私が「おおっ! もう1本貰えた~」と興奮していたとき。

 通りすがりの杵築が、「さすがに、大人だな。」と口の端を上げていたので。

 なんだかムッとした……。

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