セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 ~自宅に友達を呼ぼう~


 あっという間に、日も短くなった。今年もいよいよ12月。

 例年同様、愛花ちゃんが、生徒会メンバーでクリスマス会をやりたいと言い出した。クリスマス本番は各々忙しいので、今年も、少し早めに行うことにする。

 このメンバーでは、以前に杵築の家、羽村の家にお邪魔しているので、今回は、私の家に集まることになった。


 家に友達を呼ぶのは初めてなので、何気にちょっとワクワクするけれど、杵築や羽村の家に見劣りしない、おもてなしができるだろうか。


「来られるのは、男子四人、女子一人ですか。その中に、お嬢様の意中の方がおられるので?」

 春名さんが聞いてきた。


「まさか――。男子は、もう一人の女子の月乃さんに夢中だし。
 それよりも、月乃さんも男子も、芸能人みたいにキラキラしてるから、見たらびっくりすると思う。」

 ゲームの中の主要登場人物であるという前提を知らなければ、生徒会メンバー――私以外――は、顔で選んだのかと思われるに違いない。
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