セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「当事者の承諾のない、不意打ちの婚約発表など、あり得ない。紗和子さんにも失礼だろう。」
「娘は、承諾している!」
「俺が、承諾していない。その状態で、娘が幸せになれると思うのか。」
「それはお前の、心がけ次第だ。」
「心がけ?」
「――それは、無理だ。俺の気持ちは、変わらないと、言っている。」
杵築は、白鴎さんに対峙する位置に立ち止まると、正面から白鴎さんを見据えた。
「小僧。娘に、何の不満が。」
「不満の有無の問題ではない。」
杵築は、顔を真っ赤にした白鴎さんから目をそらさずに。
スッと回り込むように歩きながら、私たちに背を向けた。
「分かっていることだからだ。」
「分かっている?」
「ああ。今までも、これからも。」
「俺に気後れせず、隣に立てる女は。
――この世でコイツだけだ。」
杵築が片手で、示したのは。
「!?」
「!?」
――なぜか、私だった。
「娘は、承諾している!」
「俺が、承諾していない。その状態で、娘が幸せになれると思うのか。」
「それはお前の、心がけ次第だ。」
「心がけ?」
「――それは、無理だ。俺の気持ちは、変わらないと、言っている。」
杵築は、白鴎さんに対峙する位置に立ち止まると、正面から白鴎さんを見据えた。
「小僧。娘に、何の不満が。」
「不満の有無の問題ではない。」
杵築は、顔を真っ赤にした白鴎さんから目をそらさずに。
スッと回り込むように歩きながら、私たちに背を向けた。
「分かっていることだからだ。」
「分かっている?」
「ああ。今までも、これからも。」
「俺に気後れせず、隣に立てる女は。
――この世でコイツだけだ。」
杵築が片手で、示したのは。
「!?」
「!?」
――なぜか、私だった。