セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

17歳 〜悪役令嬢の生きる道 1〜


 次の日の朝。
 私は、生徒会室での待ち合わせ時間に余裕を持って、早めに登校した。

 校門のところで羽村と一緒になったところ。

 羽村は顔を合わせるやいなや、「いいですか。相手への同情や忖度は不要です。あなたは流されやすいので、その気がないことは、キッパリ伝えなければ……」と。杵築に対する「ノー」の伝え方を、延々とレクチャーしてきた。

 なんの見返りもなく、ここまで徹底して人の世話を焼ける才能を、ある意味、尊敬する。


 昇降口に着くと、三杉と佐々木くんがいた。

 先に上履きに履き替えた私たち三人が、羽村を待っていると。佐々木くんが、私の耳元で「婚約の申込みなら、俺も……。」と囁いてきた。
  
――俺も!?

 佐々木くんも、杵築に婚約を申し込むというのだろうか。

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