セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
17歳 〜悪役令嬢の生きる道 4〜
2月中旬。
最後の審問の日がやってきた。私は、身なりをきっちり整えてから、朝早くに家を出た。
両親は、私が出かける寸前まで、付き添うと言い張っていたけれど。親を引き連れて行くことはしたくなかったので、一人で学校に向かった。
「……え。」
指示されたとおりに、裏口から3階会議室に向かった私は。部屋に入るなり、少し動揺した。
その場には、白鴎さんと、その親戚の理事まで来ていたのだ。
――なんでいるの、と思った気持ちが伝わったのか。
「告発をした責任があるからな、来させてもらったよ。情報については、何かの間違いであれば良いと思っていたのだが。
――どうやら概ね事実だったようで、残念だ。」
白鴎さんは、全く残念と思っていない口ぶりで、私にだけ見えるように笑った。
会議室のテーブルの席には、校長、生徒指導の高野先生、私の担任に加えて、普段姿を見たことのない理事長までもが、並んで座っている。
私は、言われた席に腰掛けたけれど。大人6人に対して私1人では、まるで圧迫面接だ。