セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~
「誰って……、幼馴染だろっ。」
「こわ。知らない人が、いきなり幼馴染を名乗ってきた。」
本気で心当たりがない。
すると瞳ちゃんが、遠慮がちに口を挟んだ。
「百佳ちゃん、幼稚園の頃、同じクラスだった、カズくんだよ。3年間、よく3人で遊んでたじゃない?」
「――ああ!」
あの、瞳ちゃんにちょっかいかけて、やたら私に張り合ってきていた、和くん。
――おかしいな。瞳ちゃんのことはよく覚えてるのに、和くんのことはすっかり忘れていた。
「まさか、本気で忘れてた?」
「今、思い出した、『カズくん。』」
「……ちなみに、フルネームは?」
「……。」
私は、コトンと首を傾けた。
「大宮和真! 3位だよ!」
和くんは、順位表の名前を指差した。そうだそうだ、こんな名前だった。
「ちなみに算数は1位! ビー玉転がしで鍛えたからな。図形は得意なんだ。」
「ほう……。」
ビー玉転がし。懐かしいなあ。たしかに、カズくんとよくやってたわ。私は途中で飽きてやめたけど。
――それにしても……。
私はジッと和くんを見た。
「何、だよ?」
和くんはちょっと照れるように、視線をそらした。
「いや、すごく子どもらしい子どもで、いいなって。」
「ばかにしてんのかー!」
「こわ。知らない人が、いきなり幼馴染を名乗ってきた。」
本気で心当たりがない。
すると瞳ちゃんが、遠慮がちに口を挟んだ。
「百佳ちゃん、幼稚園の頃、同じクラスだった、カズくんだよ。3年間、よく3人で遊んでたじゃない?」
「――ああ!」
あの、瞳ちゃんにちょっかいかけて、やたら私に張り合ってきていた、和くん。
――おかしいな。瞳ちゃんのことはよく覚えてるのに、和くんのことはすっかり忘れていた。
「まさか、本気で忘れてた?」
「今、思い出した、『カズくん。』」
「……ちなみに、フルネームは?」
「……。」
私は、コトンと首を傾けた。
「大宮和真! 3位だよ!」
和くんは、順位表の名前を指差した。そうだそうだ、こんな名前だった。
「ちなみに算数は1位! ビー玉転がしで鍛えたからな。図形は得意なんだ。」
「ほう……。」
ビー玉転がし。懐かしいなあ。たしかに、カズくんとよくやってたわ。私は途中で飽きてやめたけど。
――それにしても……。
私はジッと和くんを見た。
「何、だよ?」
和くんはちょっと照れるように、視線をそらした。
「いや、すごく子どもらしい子どもで、いいなって。」
「ばかにしてんのかー!」