セレブ御曹司の恋を遠巻きに傍観するはずだったのですが。 ~能面顔の悪役令嬢は、それでも勘違いに気付かない~

13歳 〜日直をしよう〜


 中等科2年。

 今年度のクラスは、瞳ちゃんと一緒になれた。けれども、ついに杵築とも、同じクラスになってしまった。

 しかも、杵築の「き」、黒瀬の「く」――出席番号が前後に並んでいる。
 そのせいで、杵築の真後ろの席になってしまった上、なんと日直まで一緒になるという悲劇!


 日直の仕事は、以下の内容を、二人で分担して行うことになっている。

・号令をかける
・プランターへの水やり
・プリントがあれば、配る
・黒板を消す(授業ごと)
・最後に窓を閉めて電灯を消す
・日誌を書く


 私は、日直前日の帰り際に、思い切って、自ら杵築に話しかけた。

「私達、明日日直ですから。水やりと黒板消しは私がするので、号令をお願いできますか? その他は臨機応変に。」

「……ああ。」

 あらかじめ役割分担を決めておけば、トラブルになるおそれは下がる。
 私の負担の方が多い気もするけれど、一人で行う方が精神衛生上は良い。



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