Once in a Blue Moon ~ 冷酷暴君の不可解なる寵愛 ~
7. 告解

その日から年末年始を挟んだ約2週間は、私にとって一生忘れられない至福の時間になった。

クロードさんが「あんなことがあって、他人を家に入れるのは怖いだろう」って配慮してくれ、ほぼつきっきりで世話を焼いてくれたから。

仕事はリモート中心にして。
日々の家事も全部担当してくれて。

食品や日用品の買い物はネットを活用。
クリスマスはささやかなホームパーティーまで開いてくれて、ジャスミンに似た可愛い花モチーフのネックレスをもらってしまった。
(私もケガする前に彼へのプレゼントを用意しておいて、ほんと正解だった)


そんなこんなでお正月が過ぎるまで私は全く外に出してもらえず、なんならほとんど歩く必要もなかったくらい。
おかげで足は全く問題なく回復できた上、夫婦の会話も自然と増えてきて、私としてはもうウハウハだ。

唯一の悩みと言えば、彼の手料理が美味しすぎて体重が増えてしまったこと――って、贅沢だよね。彼にはほんと、感謝しかない。

その間ずっと考えてたのは、ただのカモフラージュ妻にここまでするかなってこと。

そりゃね、私の悪夢対策でずっと続けてもらってる添い寝でも、未だに身体の関係にはなってないよ。だけど。

思い返してみれば、出会った時から彼は強引な一面を見せつつも、ずっと私を守ってくれたし、優しかったし……

ここに至ってようやく、私は彼の愛情を素直に信じる気になっている。

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