三十路アイドルはじめます
38.重要なのは最後の男よ。(ルナ視点)
「僕はきらりさんを諦めてないし、林太郎くんのことも信用してないよ。いつでも彼女を受け入れられる男でいようと思ってるよ」
私は雄也お兄ちゃんの包容力に感動した。
彼女の気持ちが今は為末林太郎に向いているなら、何を言っても無駄だろう。
私自身、周囲から反対されても雅紀の結婚に突き進んでしまったから理解できる。
「梨子さんの最後の男になれれば良いってことだよね」
私が言った言葉を肯定するように彼は微笑んだ。
(こんな大人の余裕のある男を、どうして梨子さんは選べないかな⋯⋯)
武道館に着くと開演前で人がごった返してる。
ふと、為末林太郎が関係者入り口に入って行くのが見えた。
「ちょっと、僕は林太郎くんに抗議してくるから」
雄也お兄ちゃんが、いつになく鋭い表情をしていて驚いてしまう。
(あれ? 大人の余裕は?)
ふと周りを見渡すと、みんな推しメンバーが分かるような格好をしている。
推しのフルーツの髪留めのグッズをしたりして、楽しそうだ。
他の3人のメンバーが男性人気が高いのに対し、梨子さんは圧倒的に女性人気があるのが一目で分かる。
彼女は天然美人で明るくサバサバしているから、女の子たちから憧れられそうだ。
でも、私は本当の彼女は非常に傷つきやすく繊細だと知っている。
私は今でも、彼女が雅紀の前で震えながら「ただの高校の同級生」だと言って泣くのを我慢していた表情を思い出すのだ。
私は、関係者入り口の前でウロウロしている不審人物を見つけた。
「雅紀⋯⋯何しに来たのよ」
私は徐に彼に近づき、胸ぐらを掴んだ。
彼はまだ自分が梨子さんを選べると勘違いしているのだろうか。
私がラララ製薬で暴れて、梨子さんを失職させた禊ができるとしたら今しかない。
「ルナ? なんでここに⋯⋯フランスにいるんじゃ」
私の出現に驚いている彼を見て、私は彼をここから排除することを決めた。
私は雄也お兄ちゃんの包容力に感動した。
彼女の気持ちが今は為末林太郎に向いているなら、何を言っても無駄だろう。
私自身、周囲から反対されても雅紀の結婚に突き進んでしまったから理解できる。
「梨子さんの最後の男になれれば良いってことだよね」
私が言った言葉を肯定するように彼は微笑んだ。
(こんな大人の余裕のある男を、どうして梨子さんは選べないかな⋯⋯)
武道館に着くと開演前で人がごった返してる。
ふと、為末林太郎が関係者入り口に入って行くのが見えた。
「ちょっと、僕は林太郎くんに抗議してくるから」
雄也お兄ちゃんが、いつになく鋭い表情をしていて驚いてしまう。
(あれ? 大人の余裕は?)
ふと周りを見渡すと、みんな推しメンバーが分かるような格好をしている。
推しのフルーツの髪留めのグッズをしたりして、楽しそうだ。
他の3人のメンバーが男性人気が高いのに対し、梨子さんは圧倒的に女性人気があるのが一目で分かる。
彼女は天然美人で明るくサバサバしているから、女の子たちから憧れられそうだ。
でも、私は本当の彼女は非常に傷つきやすく繊細だと知っている。
私は今でも、彼女が雅紀の前で震えながら「ただの高校の同級生」だと言って泣くのを我慢していた表情を思い出すのだ。
私は、関係者入り口の前でウロウロしている不審人物を見つけた。
「雅紀⋯⋯何しに来たのよ」
私は徐に彼に近づき、胸ぐらを掴んだ。
彼はまだ自分が梨子さんを選べると勘違いしているのだろうか。
私がラララ製薬で暴れて、梨子さんを失職させた禊ができるとしたら今しかない。
「ルナ? なんでここに⋯⋯フランスにいるんじゃ」
私の出現に驚いている彼を見て、私は彼をここから排除することを決めた。