夫に私を殺させる方法

〔番外編 2〕高坂姫乃の策略

 私はマリが嫌いである。


 初めてマリと出会ったのは中学入学直後のこと。

 私が、クラスの女子の親睦を深めつつ、気に入らないモブ子をハブるために、わざわざモブ子以外の女子全員をボーリングに誘ってやったというのに――、マリはあっさりと「今日は予定があるので」と断ってきた。

 それに乗っかるようにして、他の女子も「予定があるし」「今日はやめとく」「ボーリングは苦手」等と言いだして。

 結局半数近くが参加しなかったので、私のメンツは丸潰れ。モブ子をハブる計画も台無しになってしまった。


 その後も、マリにサクッと潰された計画は、数知れない。マリ本人を無視してやったこともあったが、無視されたことにも気付いていない様子。
 本当に腹が立つ。地味顔のくせに。友達も少ないくせに。

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