総長様は恋の反抗期真っただ中

 どれくらいの時間、物思いにふけっていただろうか。


 屋上フェンスに頬づえをつき、葉が一枚もない寒そうに揺れている木々を眺めていた時

 「寒いでしょ? 手袋ぐらいしてくればよかったのに」

 声を掛けられ、俺の鼓膜が一瞬でとろけた。



 確認しなくても、俺の後ろに立つ女の笑顔がくっきりと思い描けてしまう。



 平常心を保ちたいがために、深呼吸を一つ。

 余裕のある魔王フェイスを顔に張り付け、俺は振り返った。



 波打つミルクティー色の髪が、柔らかく揺れているせいだろうか。

 俺の心が、荒波のごとく爆揺れしてしまうのは。



 ……つばき。

 ……なんで戻ってきたんだ?



 「友達のところに、行ったんじゃなかったのかよ」


 「だから睨まないでってば。はいこれ」


 ん?
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