その生徒会、取扱注意につき!
「へぇ…。立栞はそこ気になるんだ?」
少し驚いたように目を見開く伊緒くん。
「そりゃ、どこからの情報か気になるよ」
コクコクと首を大きく縦にふる私を見つめ。
「まぁ、詳しくは言えないけど…。この辺りは俺のテリトリーだってことだけ教えとくよ」
そう言い放ち、クスッと先ほどと同様、素適な笑みを浮かべた伊緒くんが、カバンから取り出して見せたのはいつも彼が持ち歩いているタブレットだ。
伊緒くんが肌見放さず持ち歩いている所を見ると、相当大事なものだということはわかっていたけれど…。
きっと、あのタブレットの中には私も想像できないような様々な情報が網羅されているのだろう。
なるほどねぇ…と、納得しかけたのもつかの間。
「…ん?というか、まさかとは思うけど私達が今日、あのカフェにいるっていうのもそのタレコミで知ったんじゃないよね…?」
私は頭を過ぎった考えをおずおずと声に出していて。
帰り際、千歳に口を酸っぱくして言われたこともあり、かなり周りに注意をむけていた私。
だからこそ断言できる。
誰かにつけられてたなんてことは、まずないはず。
強いて言うなら、何人かの黒涼生とすれ違ったくらいだ。
すると。
「フッ、どうだろうね?」
今日一番、楽しそうな笑顔で私を見つめる伊緒くんに、私は思わず口元が引きつった。
「……」
…絶対に伊緒くんだけは敵に回してはいけない。
機嫌よくタブレットを弄っている彼を横目で見つめながら、私は本気でそう思ったのだった。