その生徒会、取扱注意につき!

第3話❥黒涼祭


「あら〜。西藤さーん、久しぶりね。うちの高校にはだいぶ慣れたかしら?」

「美千子理事長!お久しぶりです。はい、だいぶ慣れてきました」

それは、あのカフェでの事件から数日が過ぎた昼休みのこと。

職員室に用事があった私が、特進科の教室から廊下を1人で歩いていると、前方からトテトテと歩いてきた美千子理事長と遭遇したのだ。

黒涼高校に通いだして、早1ヶ月。

通い出したのは5月半ばだったが、今は6月も半分を過ぎて梅雨、真っ只中。

「まぁ〜。彩也子ったら本当に服のセンスが良いわぁ〜。夏服のデザインも素敵ね……!あの子、昔からオシャレでね?仲間内ではオシャレ番長だったのよ〜」

昔を思い出したのか、クスリと綺麗な笑みを浮かべ、美千子理事長は嬉しそうに語りだす。

彼女の言う通り、6月に入り、制服も夏服へと衣替えしていた。

爽やかな白のブラウスの襟や袖付近には、グレーの装飾があしらわれており、スカートは冬服の時との濃い青から打って変わってそちらもグレーにシフトチェンジされている。

全体的に爽やかな印象で、私も結構気に入っている。

たしかに、うちの理事長いつもオシャレだったもんなぁ。

最近、会っていない理事長のことを思い出しながら「そうなんですね」と美千子理事長の話に相づちを打った。
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