起きられないモーニングコール、眠れない夜カフェ。
 おかしいでしょう。なんで、私がこうして寝ているのがベッドじゃなくて、棺桶なの?

 意味ありげな笑みを浮かべた彼が座っているのはベッド……ここには棺桶とは別に、大きなベッドもあった。

「いやー……俺も眠った君をここのベッドに寝かせてから、それを別の部屋へ片付けようとしたんだけど、急に目を開けたと思うと、テキパキと動いて普通にその中に入って行っただろ? しかも、こてんと熟睡するし……何かと思ったよ」

「え……っ、変な趣味があるんですね。どうして、部屋に棺桶があるんですか?」

 私も部屋に置かれた棺桶で日々眠っているので、人のことを言えないけど……ここでそれを聞かないのもそれはそれでおかしいし、私はドキドキしつつ彼に素知らぬ顔で質問した。
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