月ノ蝶、赤縄を結ぶ
 これだけすれば慣れるんじゃないかなって思ってたけど全然そんなことなかった。


 寧ろ回数を重ねれば重ねるほど、触れたときの感触が脳裏に焼きついて敏感になっていく。


 あぁ、また"アレ"をされるんだって考えただけで心がパタパタって飛んでいっちゃいそうになる。


 毎回私は翻弄されてドキドキしてるのに紅くんは楽しんでてずるいと思う。

 これが大人の余裕なのかな。

 対する私は年齢差のせいか紅くんといると子どもっぽくなるし・・・。

 紅くんはそんな部分も含めて私が好きだから気にしなくて‪もいっかと思う反面、たまには紅くんを翻弄する側に回りたいとも思う。


 ということで、紅くんの胃袋を掴もう作戦を決行することにした。


 今日はバレンタインだし紅くんは遠征でどっか行ってるけど今夜帰ってくる予定だし。

 てっきり四六時中一緒にいられるんじゃないかと淡い期待を抱いていたけれど、当然そんな訳はなく、紅くんは丸一日家にいることもあれば1週間近く家を空けることもあった。

 その分家にいる時はずっとくっついてるけどね。

 しかもほとんど紅くんから。


 思い出したら会いたくなっちゃうから無理やり思考を切りかえ、台所に向かった。

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