月ノ蝶、赤縄を結ぶ



「大丈夫?この世界キツくない?逃げるなら今のうちだよ?」

「え?」

「だぁってあたし達みたいな裏の人間って素行悪いの多いし勉強なんてみんなしないし弱肉強食なとこあるじゃん?まぁそこが居心地いいんだけど、茜ちゃんみたいな元々表にいた人間には刺激が強いんじゃないかなーって」



 なんだろう、この違和感は。

 遠回しに紅くんとは無理なんじゃない?って言われたことは正直どうでもいい。

 天ちゃんに何て言われようと私は紅くんと結婚するから。

 引っかかっているのはそこじゃなくて、私を表の人間に分類したところ──でもない。



 表社会を美化して嗤うように語るところだ。



「・・・天ちゃんは、まるで自分たちが特別な存在かのように語るんだね」

「だって実際そうでしょ?」

「私にとってはみんなあんまり変わらないよ」



 私の言葉が理解出来ないらしく、天ちゃんが眉をひそめた。



「どこが?茜ちゃんは知らないだろうけど、あたし達は自分の利益のために人を殺したりするんだよ?」

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