月ノ蝶、赤縄を結ぶ

 必死に叫んでも、反応がない。爆弾の煙のせいで天ちゃんの姿も見えない。

 このままじゃ本当に連れ去られてしまう。

 ピンチに陥ったときに思い浮かぶのはたった一人。



「紅くん・・・!!!!」



 ここにはいない紅くんに必死に助けを求める。

 当然反応はない。

 でも縋らずにいられなかった。

 伸ばした手が空を切る。




 お願い紅くん、助けに来て。

 独りにしないで・・・─────。



 白金の指輪は煌めくだけで、何も応えてはくれなかった。
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