月ノ蝶、赤縄を結ぶ
でも行かなかったらお母さんに連絡がいって迷惑かけちゃうからそれは出来ない。
だから、学校に行かないでいい、絶対的な理由が欲しい。
そんな私のお願いが叶ったのかもしれない。
いきなりランドセルを引っ張られハンカチを嗅がされ、気づいたときには手足を縄で拘束されていた。
何で連れ去られたのかも、ここがどこなのかも分からない。
何故か埃っぽい部屋に閉じ込められていた。
ここに窓はなく、一閃の光も射さない。
ただひたすら暗闇だけがここにある。
今が昼なのか夜なのかすらも分からない。
自分と影の境界がだんだん曖昧になって、そのまま溶けてしまいそうだ。
いつものように1人で起きて、1人で朝食を摂って、形だけの行ってきますをして、嫌々学校に向かっていただけなのに、何で私はこんな目に遭わないといけないの。