籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
「じゅ…十座」


十座の禍々しいオーラに、わたしは思わず後ずさりをする。


それだけでなく、十座を取り巻くようにして並ぶRULERのメンバーたちの視線まで突き刺さる。


「…どうして、ここが……」

「おいおい、知らなかったのか?お前のつけてるココには、GPSが仕込んであんだよ」


そう言って、十座は自分の首を指さす。

と同時に、わたしは首につけられているチョーカーに手をやった。


…そうだ。

前に玲が…そんなことを言っていた。


「夜中に寮を抜け出して、わざわざ兄貴の見舞いか?」

「…ち、違うの」

「なにが違うんだ?週に一度でいいから見舞いをさせてくれって言ったのは、美鳥のほうだろ?」

「そうなんだけど…」

「オレの記憶では、ついこの間今週の見舞いに行ったばかりだったと思うが」
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