籠の中の鳥 〜囚われの姫と副総長〜
太陽を背中に浴びてやってきたのは、久々に見る…十座。


「「おかえりなさいませ!十座さま!」」


RULERのメンバーたちは、玄関から玉座の間にかけての一直線の廊下の左右に整列して、頭を下げて十座を出迎える。


「おお、戻ったぞ」


十座のあとには、抗争に参加していた幹部やRULERのメンバーたちがぞろぞろと続く。


…十座が帰ってきた。

心休まる時間は、ほんの一瞬だった。


「玲!玲はいるか!?」

「はい!」


十座が呼ぶと、すぐに玲が十座のそばに現れた。


「オレがいない間に、変わったことはなかったか?」

「いえ、なにも。心配されるようなことはありません」

「そうか。今回のことについて、情報を共有しておこうと思う。今から玉座の間へこい」

「かしこまりました」


玲は平然としながら、十座のあとをついていく。
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