悠久の絃 2
「…じゃあさ、なんで最近笑わないの?」


こっち見ろよ、と椎名先生の冷たいけど、優しい声が病室に響いた。


椎名先生の首にはステートがかかっていて、胸ポケットにはボールペンが刺さっている。

胸元に目を向けると、

「顔を見ろ」

と言われた。


切れ長のかっこいい目をした椎名先生。

見た目に反して優しい声の持ち主。


「ほんとに、何もないんです。でも、、、!」


「でも?」


「でも、、、、、、

いや、やっぱりなんでもないです。もう寝るので。」




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