悠久の絃 2
兄ちゃんが具材を切っているうちに、僕は出汁とか箸とかを用意して、軽くいとの診察をした。




綺麗とは言えない呼吸音。喘鳴とまでは行かないが、苦しいのはよく分かる。

ん?


「おはよう、いと。ただいま。」


「おかえり」


「いと、今ね、もしもししたんだけど、苦しいよね?ご飯食べる前にもくもく頑張れる?」


案の定首を振られ、イヤイヤモードに入ってしまった。
熱が出ると感情をコントロールするのも難しいのだろう。間髪を入れずに拒む声が聞こえる。



何を言ってもヤダヤダと、涙まで溢れてしまった。


「いと〜?泣かないよ。泣いたら苦しくなるよ。」



背中をなでながら声をかけるが、泣き止まない、、、

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