冷酷総長は、今日も変わらず彼女を溺愛する。【After Story】
「もう、そんなに怒らないでください。もうしませんから」
そんな彩夏のセリフを聞いたのは今日で何度目だろう。こうして彩夏と過ごすようになって、おれはからかわれてばかりいる。
なんだかおればかりが余裕がなく、格好もつけられないまま彼女の手のひらで転がされているようだ。
それがたまらなく屈辱的で、そしてなぜかたまらなくくすぐったい心地がした。
「読書してたんだよ」
「えー!すごいすごい、何の本を読んでたんですか」
「……これ、たぶん彩夏にはわからないよ」
近寄ってくる彩夏にまた顔を赤くしながらおれは目を逸らして本を差し出す。彩夏はきらきらとした目で本のページをめくっている。


