愛を教えて、キミ色に染めて【完】
「何だよ、話って」
「彼女の事だよ。分るだろ?」
「…………」
「彼女、泣いてたよ。何も悪くないのに、自分が悪かったって」
「…………そうかよ。話はそれだけか?」
「伊織、お前が何であんな態度を取ったのかは分かってるつもりだ。けどな、あれじゃあ彼女が可哀想だろ? 突き放すにしても、他にやり方があると思う」
「……面倒な事は嫌いなんだよ。この方が手っ取り早い」
「お前な、そもそも彼女を騙して付き合うように仕向けたのは伊織だろ? 彼女はこれまでの女とは違うって、気付いてたんだろ? それなら互いがのめり込まないうちに別れるべきだったんだよ」
「うるせぇな、雷、お前何なんだよ? これは俺と円香の問題なんだよ。お前には関係ねぇ! 放っておけよ。それともあれか? お前、円香に惚れたのか?」
「…………そうだって言ったら?」
「なっ……」
「伊織は彼女と別れるつもりなんだし、それなら俺が彼女を貰う。俺なら、もっと上手く付き合える自信、あるからな」
雷斗の言葉に驚き、反論出来ない伊織。
暫く無言のままで向かい合っていた二人だったけれど、
「――そうかよ、なら、好きにしろよ。俺にはもう、関係ねぇんだから」
本当の気持ちを抑えこみ、拳を強く握り締めた伊織はそれだけ言って室内へと入って行き、雷斗は暫くその場に留まったままだった。
翌日、気分が優れなかった円香は家を出たものの大学へ行く気分にはなれず、初めて講義をサボってしまう。
(どうしよう、もう……帰ろうかな)
気分転換をしたいとは思うも一人で行く場所も思いつかず、いっそ家に帰ろうかと悩んでいると、
「円香ちゃん」
「早瀬さん……」
偶然にしてはベストなタイミングで雷斗が現れた。
「顔色悪そうだけど、大丈夫? 昨日ちゃんと眠れた?」
「……その、なかなか眠れなくて……。今も大学へ行くつもりで家を出て来たんですけど、どうしても行く気分になれなくて……」
「そっか。それならさ、今日はこれから俺と出掛けない? 用事も済んだし、車で来てるからさ」
「え……? で、でも……」
雷斗からの突然の誘いに戸惑う円香。
彼は伊織の友人で昨日の出来事も知っているから多少気は楽かもしれないけれど、凄く親しいという訳でもない異性と二人きりになってもいいものかと。
(でも早瀬さんと居れば、もしかしたら伊織さんに会えるかもしれない)
雷斗と居れば伊織に会えるかもしれない、会えなくても話は聞けるかもしれないと考えた円香は、
「あの、それじゃあ、よろしくお願いします」
雷斗と共に過ごす事を選び、二人は車で少し遠出をする事になった。
「彼女の事だよ。分るだろ?」
「…………」
「彼女、泣いてたよ。何も悪くないのに、自分が悪かったって」
「…………そうかよ。話はそれだけか?」
「伊織、お前が何であんな態度を取ったのかは分かってるつもりだ。けどな、あれじゃあ彼女が可哀想だろ? 突き放すにしても、他にやり方があると思う」
「……面倒な事は嫌いなんだよ。この方が手っ取り早い」
「お前な、そもそも彼女を騙して付き合うように仕向けたのは伊織だろ? 彼女はこれまでの女とは違うって、気付いてたんだろ? それなら互いがのめり込まないうちに別れるべきだったんだよ」
「うるせぇな、雷、お前何なんだよ? これは俺と円香の問題なんだよ。お前には関係ねぇ! 放っておけよ。それともあれか? お前、円香に惚れたのか?」
「…………そうだって言ったら?」
「なっ……」
「伊織は彼女と別れるつもりなんだし、それなら俺が彼女を貰う。俺なら、もっと上手く付き合える自信、あるからな」
雷斗の言葉に驚き、反論出来ない伊織。
暫く無言のままで向かい合っていた二人だったけれど、
「――そうかよ、なら、好きにしろよ。俺にはもう、関係ねぇんだから」
本当の気持ちを抑えこみ、拳を強く握り締めた伊織はそれだけ言って室内へと入って行き、雷斗は暫くその場に留まったままだった。
翌日、気分が優れなかった円香は家を出たものの大学へ行く気分にはなれず、初めて講義をサボってしまう。
(どうしよう、もう……帰ろうかな)
気分転換をしたいとは思うも一人で行く場所も思いつかず、いっそ家に帰ろうかと悩んでいると、
「円香ちゃん」
「早瀬さん……」
偶然にしてはベストなタイミングで雷斗が現れた。
「顔色悪そうだけど、大丈夫? 昨日ちゃんと眠れた?」
「……その、なかなか眠れなくて……。今も大学へ行くつもりで家を出て来たんですけど、どうしても行く気分になれなくて……」
「そっか。それならさ、今日はこれから俺と出掛けない? 用事も済んだし、車で来てるからさ」
「え……? で、でも……」
雷斗からの突然の誘いに戸惑う円香。
彼は伊織の友人で昨日の出来事も知っているから多少気は楽かもしれないけれど、凄く親しいという訳でもない異性と二人きりになってもいいものかと。
(でも早瀬さんと居れば、もしかしたら伊織さんに会えるかもしれない)
雷斗と居れば伊織に会えるかもしれない、会えなくても話は聞けるかもしれないと考えた円香は、
「あの、それじゃあ、よろしくお願いします」
雷斗と共に過ごす事を選び、二人は車で少し遠出をする事になった。