3000円で買って下さい‼︎



「..................っ、ごっ、ごめんなさい!」



自分でも、
〝何に〟対して謝ったのか分からなかった。



でも、たぶん、
今まで、起きたこと全部だと思う。



だから、それと同時に、
繋いでいたハズの手を思いっきり離して。



そのまま、逃げるように走った。



どこまでも、どもまでも走った...............



やっと、分かった気がする。



お姉ちゃんが、
『でもさ、三栗だけはやめときな』って。



──────2度も言った意味が。



私たちとは、住む世界が違うから。



だから、そう言ったんだって分かった。



『3000円で買って下さい‼︎』



なんて、三栗柚月さんからしたら、
ふざけた告白だと思われたと思う。



だけど、きっと、
クリスマスパーティーの日から。



優しい彼、三栗柚月さんのことが好きで。



でも、本当は、勢い余って、
〝何か〟を伝えていいほどの人じゃない。



本当は、
──────凄く遠い人だったんだ。



< 39 / 50 >

この作品をシェア

pagetop