背伸びして、君とありったけのキスがしたい。




クラスメイトたちもすぐに綺良ちゃんの正体に気付きはじめて、それまで静かだった教室が一気に騒がしくなった。



その様子を見て、綺良ちゃんはすごく困った表情を浮かべていた。


私はありったけの勇気を振り絞って、『今、このプリントの説明を受けてるところだよ』と声をかけた。



それから綺良ちゃんと少しずつ会話をするようになって、2年生になった今でもこんなにも仲良くしてもらっている。


私はスマホの画面をタップして、『ありがとう綺良ちゃん!明日、詳しく話すね!』とだけ送って、そっとスマホをポケットに戻した。




「里緒ちゃん、中、入ろっか」


「ほ、本当に入れるんですか!?」


「うん、案内してくれるって」


「や、やったぁ……っ!」




ずっと行ってみたいと思っていたお店に、まさか綾人さんと二人で入ることになるなんて思ってもいなかった。


スッと差し出された彼の手を、そっと握った。




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