隣の席の●し屋くんと、世界一尊い恋をする。
『殺されたいの?』


 あの日以降も、優成は普通の男子高校生をやっている。

 だけどわたしは、そんな優成とどう接したらいいかわからなくて目も合わせられず、気まずい日々を過ごしていた。

 あの日、優成がわたしに向けた殺気は多分、〝もうこれ以上踏み込むな〟っていうサインだ。

 わたしは、もうどうしたらいいかわからなくなっていた。


「そうだ、今度このクラス席がえするからよろー」


 先生が何の気なしに言った言葉で、教室中からえーとかやったーとか、様々な反応が飛び交う。

 ……もうすぐ優成とは隣の席じゃなくなっちゃうんだ。

 もう気まずい思いをしなくて済むかもってホッとする半面、まだ好きな人の隣にいたいって純粋な恋心が疼く。

 どうしようもなく胸が苦しくなって、泣きそうになるのをごまかすためにノートを開いて授業に集中した。



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